よーし! いい魚が釣れたぞ~!
今日はこの魚で一杯やるぞ-!
あれれ、新鮮なはずなのに、なぜか生臭い・・・。
こんな経験のある方に向けて書いた記事です。
わたしも昔、釣りたてのキスをビニール袋に入れて冷やしただけの状態で持ち帰り、とても生臭くて残念なことをした経験があります。
ちなみに釣りたてのキスをおいしく持ち帰る方法は
氷締め(氷でキンキンに冷やした海水に生きたまま投入)です。
キスなどの30cm未満の小型魚はこれで十分!
この記事は、30cm以上の中大型魚を対象に
・せっかく釣った魚をおいしく食べたい人に向けて
・釣った魚の本当の味が知りたい人に向けて
・新鮮魚の締め方がわからない人に向けて
書いた記事です。
おいしく魚をいただくため、
釣りたての魚をキチンと処理するのは大切です!
基本は
脳天締め、血抜き、神経締め
なぜ、魚を「締める」ことが必要なのか
そもそも、なぜ魚を「締める」ことが必要なの?
死後硬直を遅らせて、
魚のうまみ成分の減少を抑えるため に必要だから!
生きている魚には、ATP(アデノシン三リン酸)という生体エネルギーがあって、生きたまま冷やすだけだと、魚が暴れ、衰弱し、生体エネルギーがどんどん減少していくのです。
だから、「生体エネルギーに満ちた状態で即死させてやること」 が、
「鮮度を保つ」=「ATPの減少を遅らせること」 なのです。
そして、ATPは時間の経過とともにうまみ成分のIMP(イノシン酸)に変わっていきます。
これが「熟成」と呼ばれるものです。
こうして、釣り上げ直後の生体エネルギーに満ちた魚そのままを持ち帰るためには「魚を締める」という行為が必要なのです。
釣った魚の魚種、時期、個体の大きさによって若干違いがありますよ!
これが「旬」と呼ばれるものですね!
魚を「締める」方法
① 脳天締め
目の横のこめかみあたりを狙って鈎(カギ)を打ち込みます。
鈎はアイスピックのようなものです。
鈎の先端を回すようにして脳を破壊、命をいただくことに感謝して早く楽にさせてやります。
この時、目が見開き、口が ”パクッ” っと開けば、脳天締めが決まった証です。
タオルなどでしっかり固定するか、ゴム手袋などをしてケガのないように行います。
② えら切(血抜き)
血が身に回るのを防ぐために血抜きを行います。
これをしないと、身に赤みが残って、生臭いものになってしまうことがあります。
図の位置、えらぶたを開けて背骨の内側にナイフで切り込みを入れ、動脈を切断。
すぐに海水に付けて血を抜きます。
血が凝固して抜けが悪くなりますので、えらぶたに指を差し込んで広げてやり、海水の中で振ってやる
とよく血が抜けます。
真っ赤なえらの血の気が引き、ピンク色になるまで血抜きしてやるのが理想です。
③ 神経締め
①と②が済んでもまだ筋肉は生きている状態で、突然動いたりすることがあります。
これはまだ神経が生きているからです。
っと、いうことは、身に血が回ることを意味します。
これを防止するために、神経を壊します。
鼻から神経棒を差し込んでやる方法もありますが、確実な方法は尾を切ってやる方法。
図のようにナイフで尾の背骨を皮一枚残して切断し、断面を露出させ、脊髄神経(青丸)からワイヤーなどを差し込んでゴシゴシして神経を壊してやります。
皮一枚残す理由は、
・さばくときに楽だから
・自宅に帰ってサイズ感を再確認するため
これ以外の特段の理由はありません。
魚が ” ビク、ビクッ ” っと、すればうまくできた証です。
わたしはワイヤーの代わりにこんな小道具を使っています↓
魚を「締める」_その後の保存方法
こうして適切に処理された魚はクーラーBOXの中へ投入ということになるのですが、その時の保存方法は2通り
氷締め(冷えた海水)にするか、単純に冷やすか・・・
氷締め(冷えた海水)
30cm未満の小型魚(アジ、キス、サヨリ等)の時と同様にしっかり冷えた海水の中に投入します。
具体的には海水そのままを氷にしておいて、現場で海水を入れればいいのです。
注意点は、
・真水にはつけないこと
⇒ 浸透圧により身に水が回り、水っぽくなってしまいます。
・長時間つけすぎないこと
⇒ 海水でも長時間つけすぎない方が良いです。納竿して片付ける時には海水を抜いてしまいましょう。
単純に冷やす
適切に締められた中大型魚は必ずしも氷締め(冷えた海水)でなくてもいいです。
この時の注意点は、身を直接氷に触れさせないこと。
直接氷に身が接触すると、変色や氷焼けで食味が悪くなってしまいます。
・スノコを利用して氷と触れさせないようにする
・個体を新聞紙でくるみ、ビニール袋に入れる
など、工夫が必要です。
クーラーBOX
とても大切なことなのですが、それなりのクーラーBOXを持つことをお勧めします。
ホームセンターなどに売ってある低価格のクーラーBOXは「保冷」という性能面で劣るものが多いようです。
やっぱり帰り支度をするときに、氷が解けて残っていないようではよくないですからね。
わたしが使っているのがこれ↓
わたしの2馬力ボート釣行での場合、釣り上げ対象魚種のサイズからいってこれが最適!
やっぱりブランド力のあるメーカーのクーラーBOXの保冷能力は一味違います。
使用する小道具
おいしく魚をいただくため、「魚を締める」ために使う小道具をまとめてみます。
脳天締めには、これ!⇒ダイワ_フィッシュピックライト
ハンドルの持ち味⇒良し!
保護カバーの取り外し取り付け⇒良し!
サビない⇒良し!
申し分なし!
えら切り(血抜き)には、これ!⇒ダイワ_フィールドナイフSL-78
程よい先端のサイズはえら切りには最適⇒良し!
刃の出し入れ操作性能、簡単!⇒良し!
持ち運びコンパクト、安全性⇒良し!
神経締めには、これ!⇒手製のこだわり【神経締めエアー】
ブシュっと一発で決まる「締めた感」は癖になりそう・・・。
まとめ
いかがでしょうか。
でもさあ、
これ全部、完璧にやるのは手間だし、時間がかかりそう・・・。
釣果に影響しないかなあ・・・?
そのとおり!
まずは釣り上げること優先、時合を逃さないようにしましょう。
魚の締め方で味の違いが分かったら、
釣りの楽しみがまた一段と深いものになりますよ!
おしまい
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