ややこしい住民税の計算を理解して
ふるさと納税やiDecoの節税効果内訳をのぞいてみる
意味あると思うけどなあ・・・
あるはずだ!
前回、国税庁「令和3年度 給与所得の源泉徴収票等の法定調書の作成と提出の手引」12頁にある国税太郎の源泉徴収票をもとに、個人住民税を算出しました。
その額なんと¥428,600ー !
所得税 ¥245,300ー と合わせると ¥673,900-
自分で得た収入から年間673,900円ものお金が税金として消えていく・・・!
国税太郎さん! 何かした方がいいです!
税金を納めるのは国民の義務です!ですが、それと同時に税金を減らせる国の制度もあるんです!
しっかりその制度を理解して、気持ちよく納税義務を果たせば気分が良い!
今回は、給与所得者に対し比較的当てはまるであろう、
医療費控除、ふるさと納税、iDecoに関する住民税節税効果の確認検証を行うのが主題です。
もし・・・、の、条件付きではありますが、
¥211,200-の節税額が見込めるとすれば・・・、
国税太郎さん! やっぱ、やった方がいいです!
前回の住民税を解読する記事です↓
国税太郎がもし、医療費控除、ふるさと納税、iDecoをしていたら所得税の減税額がどうなるのかを算出した記事です↓
おさらい、インプット、アウトプットデータ
おさらいとして、インプットデータ掲載します。
令和3年分の国税太郎の源泉徴収票です。
国税庁「令和3年度 給与所得の源泉徴収票等の法定調書の作成と提出の手引」12頁にある
国税太郎さんの源泉徴収票です。

これを基に前回住民税を計算した解読表、アウトプットデータがこれです。

解読表の見方はここを参照してください↓

さあ、いってみましょう!
もし、国税太郎が年末調整のみで所得税を確定させていたら・・・
当然源泉徴収票で所得税が確定され、そのデータをもとに住民税額が決定されます。
もし、国税太郎が年末調整のみで所得税を確定させていたら・・・
・ 所得税 245,300
・ 住民税 428,600
合計額 ¥673,900-
やっぱり、なんかした方がいいです!
もし、国税太郎が医療費控除を受けて確定申告していたら・・・
もし、国税太郎の扶養世帯全体の年間医療費(支払額)が150,000円になってしまった場合
を、考えてみます。
所得税に関しては以前に検討した内容と同じです。
住民税の医療費控除は所得税の時と同じなので、
150,000-100,000 = 50,000
⑮に50,000を入力、すると課税所得金額Aは、4,207,000となって、
算出していきますと・・・、

もし、国税太郎が年間医療費15万で確定申告していたら・・・
・ 所得税は 235,100円となり、2351,00-245,300=▲10,200
・ 住民税は 423,600円となり、423,600-428,600= ▲5,000
合計 ¥15,200 の節税
所得税分の10,200は確定申告することで、還付金として現金が振り込まれます。
住民税分は減税という形になりますが、これを含めて15,200の節税効果が得られます。
もし、国税太郎がふるさと納税をして確定申告をしていたら・・・
国税太郎が114,000円のふるさと納税をしていたら・・・。
このケースも所得税に関しては以前検討した内容です。
この記事の時、詳しい説明を先延ばしにした住民税側の減税について、ここで深掘りします。
ふるさと納税は、「寄附金税額控除」っというものに該当します。

相変わらず、わかりにくいです。
これを読み替えながら、国税太郎のケースに当てはめていきます。

- 基本部分の算出
問)寄附金合計が総所得金額の30%を超えるか?
⇒国税太郎の場合、寄付金額114,000<総所得金額④の6,973,000×30%=2,0919,000
ですから、超えません- 超える場合⇒総所得金額の30%に相当する金額の県民税4%、市民税6%に相当する金額
- 超えない場合(国税太郎の場合)
⇒寄附金合計が2千円を超える場合は、その超える金額の県民税4%、市民税6%に相当する金額・・・なので、
(114,000-2,000)×4% ⇒ 県民税:4,480円
(114,000-2,000)×6% ⇒ 市民税:6,720円 これが基本部分
- 加算分の算出
問)寄附金合計が2千円を超える場合、その超える金額に下表から求めれた割合を乗じた金額が、所得割の20%を超えるか?(※ここの所得割とは税額調整控除後の所得割基本部分の額の事で端数処理しない金額。なんです、ここがわかりにくいところ!)- 超える場合
((寄附金合計-2,000円)×下表の割合)>(所得割の20%)の場合
⇒所得割の20%に相当する額の県民税40%、市民税60%に相当する額を加算 - 超えない場合(国税太郎の場合)
((寄附金合計-2,000円)×下表の割合)≦(所得割の20%)の場合
⇒寄附金合計から2千円を除く金額に下表の割合を乗じて得た額の県民税40%、市民税60%に相当する額を加算
国税太郎の場合、ここの所得割はD値になります
D=D1+D2=(B1+C1)+(B2+C2)=423,200
所得割の20%に相当する金額=423,200(D値)×20%=84,640円
次に、下表の課税総所得から人的控除差調整額(国税太郎の場合⑤⑥⑧の摘要欄合計15万)を控除した金額はA値4,257,000-150,000=4,107,000ですから、69.580%になります。
なので、(114,000-2,000)×69.580%=77,929となり
77,930<84,640 所得割の20%を超えません
したがって、
77,930×40% ⇒ 県民税:31,172円
77,930×60% ⇒ 市民税:46,758円 これが加算分となります。
- 超える場合

3.集計
最後に、基本分+加算分を集計します
県民税分=基本分+加算分=4,480+31,172=35,652 E2へ入力
市民税分=基本分+加算分=6,720+46,758=53,478 E1へ入力
するとこうなります↓

もし、国税太郎がふるさと納税114,000円して確定申告していたら・・・
・ 所得税は 222,400円となり、222,400-245,300=▲22,900
・ 住民税は 339,500円となり、339,500-428,600=▲89,100※
(※これが以前先送りした住民税の解説です⇒ピタリと合いました!)
合計 ¥112,000 の節税
節税というよりも、114,000円納税してますからね、
でも、この金額が還ってくるのです。
この差額の2,000で、33,000円分のお買い物ができる不思議・・・。
詳しくはこちら↓
もし、国税太郎が iDeco(個人型確定拠出年金)をして確定申告(年末調整)していたら・・・・
iDEcoについてはこちら(iDeco)
このケースも所得税に関しては以前検討した内容です。
この時、月額23,000円の掛金として年額276,000円を拠出した場合、
その還付金は56,400円でした。
住民税側の減税額を確認してみます。
解読表⑫の小規模共済等掛金控除の欄に276,000を入力して計算すると・・・、

もし、国税太郎がiDecoに年額掛金276,000を拠出して確定申告していたら・・・
・ 所得税は 188,900円となり、188,900-245,300=※▲56,400
※復興特別所得税額の節税額を含んでいます
・ 住民税は 401,000円となり、401,000-428,600=▲27,600
合計 ¥84,000 の節税
これって、すごい金額ですよ!
老後資金のための資産運用(貯蓄)が節税しながらできる。
ウソッ! ・・・みたいな話ですが、ホントなんです!
まとめ! 国税太郎さん、すごいことになってる!
さて、
もしも・・・のケースでのお話ではありましたが、
節税意識のない国税太郎さんの例、まとめます。
もし、国税太郎さん が節税意識に目覚め たら・・・ | 何もしない場合 (源泉徴収票で 確定) | もし、医療費15万で 確定申告 | もし、ふるさと納税 11.4万で確定申告 | もし、iDeco年額 27.6万円で確定申告 | もし、すべてに当て はまっていたら |
---|---|---|---|---|---|
源泉徴収税額 | 245,300 | 245,300 | 245,300 | 245,300 | 245,300 |
所得税の決定額 | 245,300 | 235,100 | 222,500 | 188,900 | 155,900 |
所得税の減税額 (小計) | 0 | ▲10,200 | ▲22,800 | ▲56,400 | ▲89,400 |
源泉徴収票根拠の 住民税額 | 428,600 | 428,600 | 428,600 | 428,600 | 428,600 |
住民税の決定額 | 428,600 | 423,600 | 339,500 | 401,000 | 306,800 |
住民税の減税額 (小計) | 0 | ▲5,000 | ▲89,200 | ▲27,600 | ▲121,800 |
減税額 (中計) | 0 | ▲15,200 | ▲112,000 | ▲84,000 | ▲211,200 |
もしも、すべてに当てはまったら、な、な、なんと!
¥211,200円 の 減税効果が生まれます。
これって、ものすごい、ことですよね!


国税太郎さん!
やっぱり、なんかしたほうがいいですよ!
ちなみにわたくしオオバンが、
もし、医療費控除を受けない、ふるさと納税やってない、iDecoやってない場合、
今より、
所得税を 52,500 多く
住民税を 124,300 多く
合計 176,800 多く払わなければいけません。
お~、恐!
よし、悠々自適ロードに乗ってる!
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