【家計管理簿記】って何?_基本的なやり方、考え方_5つのポイント

家計管理に悩んでいる人
家計管理に悩んでいる人

簿記を使って家計管理をやってみたいんだけど、ワタシにもできるかしら?
簿記自体、初めてだし、
パソコン持ってないし・・・

こんな悩みを解決します。

簿記が初めての方向けに、
手計算も想定してやさしく解説していきます!
まずは下の図を ” ぼー ” っと、眺めるところから始めましょう!

家計を管理することだけを目的に、簿記の基礎だけ学びます。
この記事の中では【家計管理簿記】という呼び方で、展開していきますね。

では、本題です。

本題:【家計管理簿記】のやり方_5つのポイント!
  1. 「借方(かりかた)」と「貸方(かしかた)」の概念
  2. 勘定科目_5つの大分類とポジションについて
  3. 貸借対照表とは
  4. 損益計算書とは
  5. 決算振替_貸借対照表と損益計算書の関係性

「借方」と「貸方」の概念

借方貸方の概念
借方と貸方の概念

簿記というのは「借方(かりかた)」という左側と、「貸方(かしかた)」という右側の概念を用いて「科目」ごとの金額を帳面につけて集計整理していく、こんな感じでおおざっぱにとらえてください。

「借方」と「貸方」の言葉の意味について深堀していく必要はありません。
ちなみに上の表の意味は、
6/20:A銀行に給与が振り込まれた
6/21:日用品を現金で支払った
6/22:水道光熱費(電気代)がA銀行から引き落とされた
6/23:クレジットカード利用分がB銀行から引き落とされた
6/24:C銀行に現金を入金した
こういうことが読み取れます。

ポイントは、「借方」と「貸方」の集計(縦計)は必ず一致する、っということ。
「借方」の合計 = 「貸方」の合計
これは簿記の絶対的ルールとなります。

余談_「借方」「貸方」覚え方

「借方(かりかた)」の「り」は左にはねるから、左側にポジション
「貸方(かしかた)」の「し」は右にはねるから、右側にポジション
こうやって覚えるそうです。

勘定科目_5つの大分類とポジションについて

勘定科目_5つの大分類
勘定科目_5つの大分類

【家計管理簿記】に使用する「科目」について、その設定は自由です。
生活環境は人それそれ、必要な科目もあれば不要な科目もあるからです。
ですが、それらを5つの大分類に必ず分ける必要があります。

それは「資産」「負債」「純資産」「収入」「費用」の5つ
損益である「利益」は計算結果の数値であるため含んでいません。

5つの大分類

参考までに想定できる5つの大分類の内容をあげてみます。

参考_「資産」の勘定科目

現金/A銀行/B銀行・・・/投資/個人年金/不動産/車両/貴金属/その他資産
※「資産」とはお金に換金できる財産のことです

参考_「負債」の勘定科目

クレジットカード未払金/住宅ローン/車ローン/積立引当金/その他負債
※「負債」とは、将来支払いが発生する義務のお金(借入金)または、将来支払いを意図的に予定するお金(取り置きのお金)⇒積立引当金のことです。

参考_「純資産」の勘定科目

純資産
※資産ー負債で計算される値 【家計管理のススメ】ではこれを「自由になるお金」と呼んでいます。

参考_「収入」の勘定科目

本人給与/配偶者給与/副業収入/雑収入

参考_「費用」の勘定科目

<固定費>
住宅費/水道光熱費/通信料/保険料/車両費/保育学費/税金/習い事/交通費/小遣い/その他
<変動費>
食費/日用品費/医療費/教育費/被服費/美容費/交際費/娯楽費/雑費/特別費


以上のように、想定科目数はたくさんあります。
ですが、できるだけ科目数を減らして管理することをおススメします
その理由は、管理、計算が煩雑となり面倒になるから・・・、
続けていかないと意味がありませんからね。
特に手書きで集計される方などは、慣れるまで大くくりで管理したほうがいいでしょう。

ちなみに、科目数が増えてしまいがちな「費用」について、最初のうちは5科目程度がおススメです。

科目の設定は自由です、コツをつかみながらおいおい考えていきましょう。
そのうち「自分流」がわかってきます。

ポジションについて

勘定科目のポジション
勘定科目のポジション

上の図の勘定科目のポジション(位置)に注目してください。

この配置は、各勘定科目の定位置 っと、解釈すればよいです。
あえて、⊕と追記した意味は 各科目のプラスポジションだから! です。
これは、各科目の「増加」と「発生」をプラスに言い換えた だけです。

貸借対照表では「増加」という言葉を使い、損益計算書では「発生」という言葉を使えばわかりやすいです。
そして、各科目がその反対側(借方or貸方)にあるとしたら、それはマイナスととらえてください。
簿記の基礎でとても大切ことなので、もう少し深堀します。

1_「資産の増加」プラスポジションは「借方」

「資産の増加」プラスポジションは借方、マイナスポジションは貸方

資産の振替

この仕訳の意味は、「A銀行から22万を引き出して現金化した」ということ、借方貸方ともに資産で資産の振替ということになります。
現金という「資産の増加」についてはプラスなので借方、A銀行預金という資産については引き出されているので「資産の減少」、マイナスなので貸方に配置されます。

2_「負債の増加」プラスポジションは「貸方」

「負債の増加」プラスポジションは貸方、マイナスポジションは借方

費用の発生 / 負債の発生
負債の減少 / 資産の減少

上段_食費日用雑貨をクレジットカードで支払った_これは支払い義務の生じる「負債の増加」です。
なので、未払金として貸方に配置します。
下段_先月計上のクレジットカード使用の未払金がA銀行から引き落された_これは「負債の減少」となるので借方に配置。

4_「収入の発生」プラスポジションは「貸方」

「収入の発生」プラスポジションは貸方、マイナスポジションは借方
(【家計管理のススメ】では、「収入」勘定がマイナスポジションの借方にくることは通常ないです)

資産の増加 / 収入の発生

夫の給与がA銀行に振り込まれた_これは「収入の発生」なので貸方

5_「費用の発生」プラスポジションは「借方」

「費用の発生」プラスポジションは借方、マイナスポジションは貸方
(「費用」勘定についても貸方にくることはあまりないと思います)

費用の発生 / 資産の減少

保険代がA銀行から引き落とされた_これは「費用の発生」なので借方

以上、勘定科目の「借方」と「貸方」のポジションについてでした。

貸借対照表とは

貸借対照表とは、時間止めたある時点(月で集計された、資産、負債、純資産の勘定科目に関して記入された帳簿のことをいいます。

貸借対照表とは
貸借対照表とは

「資産」の中には、現金、銀行預金、不動産、車等、お金に換金できる財産のこと言いますが、【家計管理のススメ】では、生活に必要な居住用住宅やマイカーなどは含めないことにしています。

「負債」の中には、借金、未払金、積立金(意図的な取り置きの費用)等、支払い義務のある拘束された金額の総計です。

「純資産」は 「資産」マイナス「負債」 により算出されます。

この【純資産】の純度を上げたものが自由になるお金」となり、家庭の健康体力ということになります。

その逆が・・・

こういう状況にはしたくない!

損益計算書とは

時間止めたある時点(月初)の貸借対照表に対し、
損益計算書では一定期間(月間)の生計活動の収支が集計され、収入、費用、損益の勘定科目に関して記入された帳簿のことをいいます。
(内容的には家計簿に似ています)

損益計算書とは
損益計算書とは

「収入」は、給与収入が主になると思いますが、副業や雑収入なども含まれます。
「費用」の中には、生活費(固定費・変動費)、ゆとり費、特別費等、期間中に発生した支払い義務発生の総計です。

「利益」は 「収入」マイナス「費用」 により算出され、
仮にマイナスであれば、「利益」は「損失」となり、その金額は「貸方」に記入されます。

このように・・・

納得の赤字なら許容されるが・・・

貸借対照表と損益計算書の関係性

貸借対照表と損益計算書の関係性
貸借対照表と損益計算書の関係性

決算振替とは

決算振替とは、月末集計により損益計算書で利益が出た7万円(上図の例)は、次月月初の時点において「貸借対照表」の「純資産」に振替える仕訳け作業のことです。

上の図はとても大切なので、しっかりイメージしておいてください。

まとめ_純資産は家庭体力のバロメーター

本題:【家計管理簿記】を学ぶ5つのポイント!
  1. 「借方」と「貸方」の概念
  2. 勘定科目_5つの大分類とポジションについて
  3. 貸借対照表とは
  4. 損益計算書とは
  5. 決算振替_貸借対照表と損益計算書の関係性

をご紹介しました。

こうして【家計管理簿記】を理解することで、「お金」に関する6つの「わからない」も解消することができます。

最後にもう一度ご紹介します。

貸借対照表と損益計算書の関係性
貸借対照表と損益計算書の関係性

【純資産】は【家庭体力】のバロメーター

これが管理できると、いろんな予測や検討、目標の設定等することができますよ。

では、今回はこの辺で・・・

★ ★ ★

ー 目 次 ー 【家計管理のススメ】

(目次の内容は変更になることがあります)

はじめに

  1.  お金を管理してみよう!
    1.  【家計管理】とは⁉_家計簿とは違うんです!
    2.  お金に関する「わからない?」6つの不安を解説します!
    3.  一番知りたいのは、今、「自由になるお金がいくらあるのか!」_でしょ?
    4.  【積立引当金】まずは、身の回りの値段を調べて「取り置きのお金」を決めてみよう!
    5.  【自由になるお金】算出のポイントは資産と負債の考え方!
  2.  さあ、はじめよう!【家計管理】_まずは手書きでやり方を理解する
    1.  【家計管理簿記】って何?_基本的なやり方、考え方_5つのポイント
    2.  【手順1】勘定科目を設定する
    3.  【手順2】開始貸借対照表を作成する
    4.  【手順3】仕訳帳を作成する
    5.  【手順4】精算表を作成する
    6.  【手順5】家計管理グラフを作成する
  3.  家計を管理する!_ケース事例
    1.  【自由になるお金】とは?資産についての考え方_ケース事例
    2.  【調整負債金】将来必要になるお金は【負債】で管理する
    3.  【積立準備金】将来必ず必要になるお金_積立のやり方
    4.  成長を続けなければいけない!_【自由になるお金(純資産)】 
  4.  エクセルでオリジナル【家計管理簿記】ソフトを作ってみよう!
    1.  家計管理で学ぶエクセル関数_実は簡単⁉
    2.  超簡単に仕訳帳を作成する準備
    3.  仕訳帳から自動計算で精算表を作成する
    4.  精算表から自動計算で貸借対照表を作成する
    5.  貸借対照表にへそくり要素を加えれば、思わず「ニヤリ⁉」
  5.  【家計管理】で生活を変える_実践編
    1.  人的資本を考慮して【負債】を考える?_人それぞれの家計管理とは?
    2.  【負債】に入れた取り置きのお金【積立金】を戻す方法_【戻入】勘定
    3.  家計簿の内容は【無料アプリ】にお任せ
    4.  エラーが出たときの修正ポイント
    5.  毎月行うルーティーン化で、作業の定着化

あとがき

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