架空資産調整とは|中高年向け”純資産の純度を上げる”必要性

架空資産調整の仕組みを示す図。純資産の内訳に繰上げ返済額を仕込むことで「自由になるお金」が見えるようになる。

中高年になると、純資産の中に「繰上げ返済」という目的が割り込んできます。
この記事では、純資産の“純度”を上げて「自由になるお金」を正しく把握するための “架空資産調整”という考え方 を解説します。

今までの記事で、資産に関する家計簿記の考え方は

  • 生活資産は資産に含めない
  • 借金がある場合は「架空資産」で調整する
  • 結果、純資産=“自由になるお金” が見えてくる

こういうものでした。
でも、これは借金を計画通りに返済していくことが前提で、いわば人的資本の大きい若者向けの管理といえます。

しかし、中高年に差し掛かると状況が変わります。

純資産 − 繰上げ返済額 = 真の自由になるお金

■ 人的資本が減ると、純資産の“純度”が気になる

人的資本が減るということは、「これから稼げるお金」が減るということ。
だからこそ、今持っている純資産の“質”が重要になります。

人的資本と金融資本の時間軸概念図

中高年になると、

  • 人的資本(これから稼ぐ時間)が減る
  • 金融資本(貯蓄)が増える
  • 結果、借金をどう扱うかが家計の自由度を左右する

つまり、純資産の中に
「繰上げ返済」という目的が割り込んでくるのです。
ここで重要なのは、

繰上げ返済の原資は純資産から出る

という事実。だから、

「繰上げ返済」という目的が割り込んできたと同時に、「自由になるお金」の見方は変わります。

■ 真の純資産を知る必要がある

繰上げ返済を考える中高年にとって、まず確認すべきはこれです。

純資産が繰上げ返済する金額を上回っているかどうか

ここが最低ライン。
つまり、繰り上げ返済後は、純資産ー繰り上げ返済額=新「自由になるお金」が残ることとなります。
これを踏まえ、繰上げ返済をするかどうかは マネジメントの領域

  • 今返すべきか
  • 純資産の増加をもう少し待って返すか
  • 返すならどれくらいか

これは個人の価値観と戦略の問題となります。
ただし、その判断を正しく行うためには、

純資産の純度を上げて、“真の純資産(真の自由になるお金)” を把握する必要がある

ということ。

■ そこで必要になるのが「架空資産調整」

ここで登場するのが、ワタシが設定した概念、「架空資産調整」

架空資産調整とは、純資産の中に“繰上げ返済に使う予定のお金”を区分するための項目


ポイントはここ。

  • 仕訳はしない
  • 精算表の中で“区分”として扱う
  • 純資産の中に「架空資産調整(=借金額)」を置く

こうすれば、
純資産から繰上げ返済予定額を引いた「真の自由になるお金」を把握することができ、
返済計画通りの前提が外れることになります。

家計簿記の月次推移表。固定負債・借入金・純資産・自由になるお金・架空資産調整の変化を示すExcel表。
家計簿記の精算表抜粋|純資産と架空資産調整の関係

■ 精算表での扱い(実務)

架空資産調整は仕訳を行わず、精算表作成段階で純資産の内訳として置きます。
「架空資産」の話に戻って作業の流れを確認します。

  1. ローン金額(費用) / 銀行預金(資産):費用の支払い
  2. 借金(負債) / 架空資産(資産):ローン支払いに伴う借金と架空資産の減少
  3. 当月の純資産を精算表で確認(仮) 
  4. その仮の純資産から架空資産調整(繰り上げ返済予定額)を減額
  5. こうして純資産の内訳を出す
    • 架空資産調整(繰り上げ返済予定額)
    • 真「自由になるお金」

これにより、純資産の内訳が明確となり、真の「自由になるお金」を確認できます。

■ 架空資産調整で家計簿記が完成する

  • 若い頃は予定返済が前提の純資産(自由になるお金)でOK
  • 中高年は繰上げ返済が純資産に割り込む
  • だから純資産の純度を上げる必要がある
  • 繰上げ返済の原資は純資産から出る
  • そのために精算表に「架空資産調整(借金額)」を置く
  • 純資産 − 架空資産調整 = 真の純資産(真の自由になるお金)
  • これを把握して初めて、正しい意思決定が可能となる

これであなたの家計簿記は、「思想」と「実務」がつながり ”体系” として完成します。

家計簿記の貸借対照表|自由になるお金を見える化|現金口座・金融資産・年金資産・架空資産・負債・構成を色分けしたExcel図。
資産と負債の構成と自由になるお金を可視化

これを継続して、人生マネジメントの材料をそろえていきます。

■ 次の記事|仕訳の実務_取り置きのお金と架空資産

次の記事では家計簿記の核心部分である
「取り置きのお金」「架空資産」仕訳実務について書いてみる予定です。

ワタシの家計簿記の考えが、あなたの暮らしの安心につながればうれしいです。

次の記事、お楽しみにお待ちください。

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